Adagioな日々

ワインづくり奮闘記 そしてときどきピアノ

発酵と酵母

本日の気象データ
天気:曇りのち雨 降水量:8.5 mm 最低気温:10.2℃ 最高気温:20.0℃ 
平均気温: 14.1℃ 日照時間:73分 (原村アメダス

今日の作業も誘引、余計な花穂・ツルを落とす作業。一部芽かき。

昨日、少量の亜硫酸は、自然派ワインを生産する場合にも一定程度許容範囲内だということが判明しました。

pooh-chan-51.hatenablog.com

そもそもブドウが発酵する過程で、一定量の亜硫酸がブドウの中から出てくるので、ブドウの中にあるものを少し足すということに抵抗がない人もいるのかもしれません。

亜硫酸よりももっと検討すべきことがあることも昨日判明しました。そこで、今日は発酵と酵母について考えてみたいと思います。

パンを自分で作るときも酵母イースト)を使います。パンの場合もドライイースト天然酵母がありますが、私は天然酵母を使います。ドライイーストを使ったこともありますが、天然酵母の方がずっと香りがよいのです。かみしめたときにじんわりとパンから味が出てくるのも天然酵母です。なので天然酵母をお店で買い、家で1日かけて種を起こしてからパン作りを始めます。もっと手の込んだ人は酵母そのものを自宅で作ると思います。この自家製天然酵母は果物(レーズンなど)や穀物、水と砂糖を一緒に瓶などに入れ、適度に攪拌したり酸素に触れさせたりして数日から一週間程度でできるようです。

ドライイーストは発酵が安定していてほとんど失敗しないし、何よりも発酵に時間がかからないという利点があります。天然酵母と呼ばれている市販の製品は、その日の温度などによって多少発酵が不安定ですが、大きく失敗することはありません。ただ、ドライイーストに比べ、パンの発酵に時間がかかる(だいたい倍ぐらい)ので、種起こしの時間も考えるとパン作りが2日がかりになります。自家製酵母は温度や湿度を管理する必要があるようで、失敗することもありそうです。

メリット・デメリットありますが、やっぱりドライイーストよりも天然酵母の方が美味しいと思うのでパンの場合は天然酵母を使う…ということを考えると、ワインも天然酵母を使った方がやっぱり美味しいのではないかと思うわけです。

そもそも、発酵、発酵と言っているけれど、要は腐らせているということです。チーズや納豆だと匂いもきついものがあるので、腐ってる感が強いと思います。ただ、腐った食べ物と発酵食品の大きな違いは、腐った食べ物を食べるとおなかを壊したりするのに、発酵食品を食べても体に害はなく、むしろ健康食品であったりします。発酵と腐敗の違いについて説明しているこんなサイトがありました。

www.hakko-blend.com

発酵も腐敗も微生物が働いて起こる現象ですが、働く微生物が違うということですね。ブドウも適切な酵母が働けばワインになるけれど、病原性の微生物が働くと腐ったぶどうジュースになるということ。ワインにするためには「サッカロマイセス・セレビシエ」という酵母が必要です。しかし、野生酵母天然酵母)の中には、サッカロマイセス・セレビシエではない酵母がたくさん含まれています。

nihonwine.jp

このサイトの説明。なるほど~と思うけれど、一つ腑に落ちないのは、培養酵母を添加するか否かにかかわらず、ぶどうに野生酵母が付着しているので(この点はパン作りとは違う)、醸造方法によっては培養酵母を使ったとしても複雑性は一定程度確保できるのではないかという点です。この点についてはもう一段深く突っ込んで調べてみる価値がありそうです。

というわけで、長くなってきたので今日はここまで。明日も引き続き酵母について考えたいと思います。

 

 

自然派ワイン

本日の気象データ
天気:晴れ時々曇り 降水量:0.0 mm 最低気温:8.8℃ 最高気温:23.9℃ 
平均気温: 16.5℃ 日照時間:505分 (原村アメダス

今日の作業は3年目以降のブドウ樹の誘引と余計な花穂、ツルなどを落とす作業。2年目のブドウ樹の芽かき。

さて、昨日から急に亜硫酸を使うかどうかに関心が向いたので(というか、講義を受ける前は亜硫酸は使わないでしょ、と思ってました)、まずは自然派ワインについて、昨日ご紹介した『自然派ワイン入門』という本を読み始めました。昨日の記事はこちら。

pooh-chan-51.hatenablog.com

この本の最初の方に「自然派ワインは存在しない!?」という項があります。自然派ワインの法的な定義が存在しないので、色々な栽培方法、製造方法のワインが「自然派ワイン」と銘打って売られているということです。他にもネット上に色々な「自然派ワインの定義」らしきものがありました。確かにこれといった明確な定義はないのですが、いわゆる「自然派ワイン」と呼ばれているものがどういうものなのか、いくつかの段階があるということがわかりました。

栽培方法については、
① 無農薬又は有機農法で栽培されている
② 減農薬農法で栽培されている
➂ ビオディナミ農法で栽培されている
という3つに分類されているようです。減農薬と有機農法はいずれも化学肥料や除草剤は使用していないものの、農薬を最小限の使用にとどめる(減農薬農法)か有機農薬として認められているものだけを使うか(有機農法)という違いがあります。ビオディナミ農法とは、ルドルフ・シュタイナーが提唱した農法です。天体や宇宙のリズムに沿ったビオディナミ・カレンダーに基づいて農作業をし、漢方薬のような特殊な調合剤を使用して栽培します。このうち無農薬・有機栽培とビオディナミはヨーロッパでは有機ワインと呼ぶことが許され、減農薬農法で栽培されたブドウを使用したワインは減農薬ワインと呼ばれます。

製造方法については、
① 酸化防止剤(亜硫酸)は(瓶詰時に)少量だけ使用する、または無添加
② 培養酵母は使用せず、天然酵母を使用
➂ 無濾過・無清澄
と製造過程でどこまで介入するかに段階があります。意外だったのは亜硫酸の使用に関しては完全否定がされていないということです。『自然派ワイン入門』によれば、伝統的に樽の洗浄や瓶詰めの際に少量だけ亜硫酸を使ってきたので、これは許容範囲のようなのです。自然派ワインの生産者ですら、亜硫酸がないときちんとしたワインがつくれないと考えている、つまりやはりワインは劣化しやすく、劣化したワインはまずいと考えているということだと理解しました。

また、EU有機ワインの定義では保存料や製造のための添加物として50種類あまりが認められています。自然派ワインの生産者は少量の亜硫酸は許容するけれど、培養酵母やその他の添加物は認めないというのが一般的なようです。つまり有機ワイン=自然派ワインではないということです。

濾過や清澄についてはワインのストラクチャーを変えてしまうのでしないという生産者もいるし、許容する生産者もいるという感じで、介入の度合いに濃淡があります。濾過や清澄はやりすぎると味の複雑さがなくなるので、どこまでやるかは自然派ワインの生産者でなくても議論があるところかもしれません。

ざっくりまとめると、自然派ワインとは、有機農法で栽培されたワインを使い、天然酵母を使用し、少量の亜硫酸以外の添加物は使用しないワイン、より厳密なケースでは、加えて濾過や清澄もしないワインと言えそうです。

というわけで、昨日の「どうする 亜硫酸」の回答が早速出ました。自然派ワインの製造を目指すとしても、少量の亜硫酸は許容範囲だということがわかったので、少量だけ使用する方向で考えたいと思います。むしろ、天然酵母を使うか、培養酵母を使うか、その他の添加物を使用するかどうかの方が自然派と呼べるかどうかの分かれ目なので、これらを検討しなければならないですね。

どうする 亜硫酸

本日の気象データ
天気:晴れ 降水量:0.0 mm 最低気温:6.8℃ 最高気温:22.5℃ 
平均気温: 15.1℃ 日照時間:543分 (原村アメダス

今日から千曲川ワインアカデミーの講義は醸造モードに突入。まだまだブドウ栽培について知らないことだらけの私は落ちこぼれ感満載ですが、少しずつ追いついていけるように頑張ります。

さて、今日の講義の中で亜硫酸のことを勉強しました。普通にワインを買うとどのワインにも入っている酸化防止剤のことです。しかし、近年、健康志向の高まりで亜硫酸未使用のワインというのも出てきました。つまり、亜硫酸は体に悪いということ?普通に亜硫酸入りのワインをこれまで飲んできちゃったけど大丈夫?ということで、そもそも亜硫酸は何が悪いのかを調べてみました。

ネットで検索すると色々なことが書かれています。
ぜんそくの原因になる
・頭痛の原因になる
・体内の消化にかかわるバクテリアを遮断する働きがある
・肝臓の働きを悪くする
など。人によっては敏感に感じるようですが、多くの人は支障なく食しています。また、ワインに入っているだけでなく、ドライフルーツや納豆、豆腐などにも入っているケースがあるのだとか。広く食品の保存料とか漂白剤として使われているそうです。

亜硫酸を添加するかどうかを考えるとき、自分が自然派ワインを造ることを目指すのか否かを考える必要があります。また、そもそも原料であるブドウを有機栽培で作るのか否かも考える必要があります。今日の講義は改めて亜硫酸を使うかどうかを考えるきっかけとなりました。

家に帰って本棚を見るとアルノ・イメレ著『亜硫酸を使わないすばらしいワイン造り』という本がありました。この本のカバーの裏にこんなことが書かれています。

亜硫酸にしろボルドー液にしろ、健全なブドウを育て良いワインをつくる必要性からワインづくりを支えてきたのである。しかし、優れた働きをする薬も使用法を誤れば毒薬となり、毒もきちんと利用すれば良薬となる。正しく用いればワインを長期にわたり健康に保ち、使い方を誤ればアロマを台無しにして人の健康すらも害する毒となる。ワインにとって亜硫酸は守護天使か悪魔か。答えは醸造家の手にかかっている。

なるほど。訳者のまえがきにもこんな気になる一言が

新規の醸造家の中には理想を追うあまり技術力が伴わないにもかかわらず野生酵母にこだわり亜硫酸も使わずに欠陥ワインをつくり、これが「俺のワインの味だ」と納得しているという悲しい例もある。

厳しい!けど、確かにこれまでイメージだけで亜硫酸は体に良くないから使いたくないと思っていて、私が知識もないままに亜硫酸を使わないでワインを造ったら、まさにこの状況に陥ったかもしれないです。ひと先ずこの本を読んで本当に亜硫酸を使わないで自分によいワインが造れるかを考えてみようと思いました。

また、自然派ワインを造るということは、単に亜硫酸を使わないだけではありません。自然派ワインにも色々なレベルのワイン(定義)があるので一概には言えませんが、より厳格に自然派ワインを造るのであれば、有機栽培、はたまた畑作りをすることから始まります。いくつかの本を読んでみると日本の有機栽培の基準はかなり緩く、様々な農薬の使用が認められていますが、ヨーロッパの自然派ワインの基準で認められているのはボルドー液と硫黄のみのようです(ビオディナミの場合はまた別の基準があります)。さらに酵母は野生酵母を使用し、市販されている酵母は使用しないで、亜硫酸はもちろん、その他一切の添加物を入れないで醸造されます。我が家にあったもう1冊の本イザベル・レジュロンMW著『自然派ワイン入門』の帯には「『何も足さない、何も引かない』―簡単そうに聞こえるが、それは大きなリスクを背負い、時に大変な労力をも必要とするということなのだ」と書かれています。こちらの本も併せて読んで、栽培方法や添加物を入れるか入れないか、入れるならどこまでを許容するかを考える材料にしたいと思います。

くさかりまさお

本日の気象データ
天気:雨のち晴れ 降水量:17.0 mm 最低気温:8.6℃ 最高気温:21.1℃  平均気温: 15.1℃ 日照時間:630分 (原村アメダス

今日は千曲川ワインアカデミーの講義日。事前に宿題が出ていた農機具の話以外にもワイナリー見学や圃場に出ての作業など盛りだくさんでした。

目下、ワイナリーの設備よりも農機具や圃場のデザインに関心があるので、どうしてもそちらの講義内容や実習に熱が入ってしまいます。ただ、農機具はいろいろ揃えればきりがないので、講義の合間に既にブドウ栽培をしている同期生に実際に何を使っているのか聞いてみました。そうしたら「絶対に買うべきは乗用草刈機だねぇ。うちのは『まさお』って言うんだけど」という答えが。さすが、自分の農機具に名前つけちゃうなんて、なんて農業愛に満ちているんでしょう!と思いきや、メーカーの商品名なんだそうです。家に帰って調べてみると、キャニコムという会社の製品で、面白いネーミングの商品がたくさんあります。草刈機「たみよ」もないかと探してみましたが、それはありませんでした。

https://www.canycom.jp/products/series/kusakari.html

草刈機まさお、名前が面白いだけでなく、刈高が調整できるので10㎝以上の長さに刈ることができるのは魅力的です。ただ、化石燃料使用というのがやっぱり気になる…。ということで充電式草刈機はないかと調べてみました。

ざっと調べたところ、電気自動車が公道を走っている時代なのに充電式乗用型草刈機はなさそうです。ただ、充電式の乗用型芝刈機なら存在しました。たとえばこのドイツのメーカーのもの。

www.haigeshop.net

また乗用型ではなく手で持つものなら多くのメーカーから充電式の草刈機がでていました。日本のメーカーの充電式草刈機は長時間作業ができないのが難点です。そこで、芝刈機で草刈りはできないのか…と思ったら、同じことを考える人がほかにもいるようで、YouTubeに「できます」という動画が出ていました。どの芝刈機でもできるわけではなく、刈高が長めに調整できるタイプのものだと可能なようです。充電式でなくても手押しタイプの芝刈機ですら草刈りが可能なものが存在する模様。実際、YouTubeで紹介していた芝刈機は手押しタイプのもので、刈高を高く設定して畑の雑草を刈っていました。もし下草を西洋芝や牧草みたいなものにするのであれば、芝刈り機の導入も可能そうです。ただ、雑草をそのまま下草として利用するとなると、芝刈機だとちょっと使用目的外の使い方になってしまいます。ぜひ草刈機「たみよ」というネーミングで充電式乗用型草刈機を開発してもらいたいところです。

大雨とアリの大発生

本日の気象データ
天気:大雨(大雨警報及び洪水警報の発表あり)降水量:144.0 mm 最低気温:14.0℃ 
最高気温:17.8℃  平均気温: 15.8℃ 日照時間:0分 (原村アメダス

今日の作業は大雨のため休み。

久しぶりにゆっくりと朝食を食べていると、視界の片隅に黒くて小さい何か動くものが。床の上をアリが歩いていました。先日、ご近所さんが「もうそろそろアリの季節なんです。夜も眠れないぐらいのアリの大群が発生するんですよ」と言ってアリ退治の白い粉を撒いていました。それを聞いて我が家でもハッカ油を水で希釈して家の周りに撒いたばかりでした。

発見したアリは1匹。ハッカ油の効果かしら、よかった、よかったと安堵したのもつかの間。キッチンの方に行くと、また視界の片隅に何か黒い塊が…。いやー、アリが群れを成しているではないですか。しかもそこはピアノ部屋。ピアノの方に行かないで~と願いながら、一匹一匹つぶして、アリが出てくる付近にハッカ油を撒いてみると群れはなくなり一安心。お皿を洗ってふと反対側に目をやると、またアリが群れになっている!またつぶしてハッカ油を撒いて一安心。そして最初に群れを発見したあたりに目をやると、またアリが出てきている。アリはハッカ油の匂いが嫌いらしいけれど、根本的な解決にはならないということがわかりました。

それにしてもなんで急に…。きっと雨が降ったので、アリも避難しているのではないかと推測してみたり…。改めて床を見ると小さな黒いゴミがたくさん落ちています。よく見ると踏みつけられたと思われるアリ🐜!最近黒いゴミがよく落ちているなあ、外から何かゴミを持ってきちゃったいるのかなぁぐらいに思っていました。でも違いました。アリを踏みつけていたらしい。毎日、ルンバが掃除をしてくれていたので、あまり気づきませんでした。

そこでホームセンターで「アリの巣ころり」を購入し、ピアノ部屋に設置してみました。何匹か甘い匂いに誘われてアリの巣ころりの中に入っていきましたが、近くをうろうろするばかりでほとんどのアリが入っていきません。しかし、何時間か経つと、明らかに部屋の中をうろうろしているアリの数が減っています。よくわからないけど効果はあるようです。

やっと一息ついて昼食を食べ終わり、お皿を洗おうとしたところ、今度は水が出ない。大雨で井戸のポンプの漏電ブレーカーが落ちて動かなくなっていました。一難去ってまた一難。ご近所さんと協力して排水し、2時間作業したのちポンプが再稼働したので、水も出るようになりました。よかった、よかった。

コンパニオンプランツ

本日の気象データ
天気:晴れ時々曇り 降水量:2.5 mm 最低気温:9.8℃ 最高気温:21.0℃ 
平均気温: 15.7℃ 日照時間:574分 (原村アメダス

今日の作業は芽かきの続きと巻きひげの処理。

昨日、草生栽培について少し検討してみたので、今日はその続きでコンパニオンプランツについて考えてみたいと思います。

コンパニオンプランツとは、作物と一緒に植えることで作物によい影響を与える植物のことです。植物によって相性が異なるので、ブドウによい影響を与える植物を植える必要があります。検索してみると、様々なサイトで概ね同じ植物が紹介されています。

【主な植物とその効果】
① ヒソップ:ミツバチが好むため、受粉が効率的にされ収量向上
② オレガノ:ブドウの風味向上、虫よけ
➂ バジル:虫よけ(テントウムシダマシ)
④ ブラックベリー:ヨコバイの卵を殺すハチの寄生場所の提供
⑤ クローバー:土壌の肥沃度を高める(窒素固定剤としての役割)
⑥ ゼラニウム:虫よけ(ヨコバイ)
⑦ マメ科植物(大豆など):土壌の肥沃度を高める(窒素固定剤としての役割)
⑧ ニンニク:虫よけ(アブラムシ、コガネムシなど)
⑨ チャイブ:虫よけ(カメムシ、アブラムシなど)
⑩ ローズマリー:虫よけ(コガネムシなど)
⑪ タンジー:虫よけ(アリ、ハムシなど)
⑫ ミント:虫よけ(アブラムシなど)

こういった植物を一緒に植えると効果が本当に期待できるのかわからないけれど、一度試してみる価値はありそうです。ただ、原村の場合はとにかく寒いので、一緒に植えて育つかどうかも考えなければなりません。とりあえずローズマリーとバジルの苗とチャイブの種がホームセンターで売られていたので買ってきました。週末に庭に植えて生育状況を観察してみたいと思います。

草生栽培とは

本日の気象データ
天気:曇り時々晴れ 降水量:0.0 mm 最低気温:10.3℃ 最高気温:21.0℃ 

平均気温: 14.5℃ 日照時間:269分 (原村アメダス

今日の作業も芽かきと不要な花穂を落とす作業の続き。

今月はふたつヴィンヤードを訪問しました。いずれもかなり下草生え放題だったので、草生栽培とは何ぞやと思い、調べてみました。

調べてみると草生栽培は一言では説明できないということがよくわかりました。同じ言葉を使っていても全然違うことをしているケースが多くあります。共通しているのは、(多くの場合果樹園で)下草を除草しないで下草と作物(果樹)を共生させて栽培する方法であるという点です。ただ、その下草というのが曲者で、雑草をそのまま生やしているケース、牧草や西洋芝のようなもの、あるいは何らかのコンパニオンプランツを生やしているケースなどがあります。また、それらの管理の仕方も、除草剤を撒いたり抜いたりはしないけれど、全面的に刈るケース、部分的に刈るケース、全く刈らずにそのまま伸ばしているケース、刈らずに踏み倒すケースなどがあります。さらに、刈るケースにおいては、どれぐらいの長さで刈るか、つまり地際まで刈るか、10㎝~15㎝のところで刈るかなどあります。

草生栽培のメリットとして挙げられているもので共通するのは、
① 土壌深耕効果:草の根が土壌中に広がることで、畑の排水性がアップする
② 土壌侵食防止効果:雨が直接土壌にあたらないので、土壌浸食を防ぐことができる
➂ 有機物補給効果:枯れた下草が肥料の代わりとなり、有機物を補給できる
④ 地球温暖化対策:下草による土壌炭素貯留機能、不耕起による土壌炭素放出抑制が期待できる

デメリットとしての共通点は
① 下草と果樹の栄養・水分の吸収競合による弊害
② 下草が病虫害の繁殖源となる可能性
➂ 下草の生え方によっては作業性が落ちる可能性

などが挙げられます。

自分の畑を持つことになったらどうしようか…。上記のメリットやデメリットを総合して考えると、雑草をそのまま生やしてしまうと狙ったような効果を出すことができなくなる恐れがあります。なので、
① 畑の地質検査をして、必要な栄養素や不要な栄養素を追加・吸収してくれるような植物を選ぶ
② 果樹の病気や害虫を防ぐような効果があるコンパニオンプランツを選ぶ
➂ 雑草が生えないように地際まで刈らないで10㎝程度伸ばす(ただし、幼木のころは草刈りはマメにやる。また、成木になっても果樹の周りは草刈りをして、雑草が生えないよう砂利などでカバーするのも一案)

と言った工夫が必要と思われます。ただ、草を10㎝程度伸ばすとなると、機械では刈れないことになるので、苦手なカマを使って人力で草刈りをしなければなりません。作業性を考えると踏み倒す方がいいのか…。なかなか難しい問題です。