Adagioな日々

ワインづくり奮闘記 そしてときどきピアノ

草生栽培とは

本日の気象データ
天気:曇り時々晴れ 降水量:0.0 mm 最低気温:10.3℃ 最高気温:21.0℃ 

平均気温: 14.5℃ 日照時間:269分 (原村アメダス

今日の作業も芽かきと不要な花穂を落とす作業の続き。

今月はふたつヴィンヤードを訪問しました。いずれもかなり下草生え放題だったので、草生栽培とは何ぞやと思い、調べてみました。

調べてみると草生栽培は一言では説明できないということがよくわかりました。同じ言葉を使っていても全然違うことをしているケースが多くあります。共通しているのは、(多くの場合果樹園で)下草を除草しないで下草と作物(果樹)を共生させて栽培する方法であるという点です。ただ、その下草というのが曲者で、雑草をそのまま生やしているケース、牧草や西洋芝のようなもの、あるいは何らかのコンパニオンプランツを生やしているケースなどがあります。また、それらの管理の仕方も、除草剤を撒いたり抜いたりはしないけれど、全面的に刈るケース、部分的に刈るケース、全く刈らずにそのまま伸ばしているケース、刈らずに踏み倒すケースなどがあります。さらに、刈るケースにおいては、どれぐらいの長さで刈るか、つまり地際まで刈るか、10㎝~15㎝のところで刈るかなどあります。

草生栽培のメリットとして挙げられているもので共通するのは、
① 土壌深耕効果:草の根が土壌中に広がることで、畑の排水性がアップする
② 土壌侵食防止効果:雨が直接土壌にあたらないので、土壌浸食を防ぐことができる
➂ 有機物補給効果:枯れた下草が肥料の代わりとなり、有機物を補給できる
④ 地球温暖化対策:下草による土壌炭素貯留機能、不耕起による土壌炭素放出抑制が期待できる

デメリットとしての共通点は
① 下草と果樹の栄養・水分の吸収競合による弊害
② 下草が病虫害の繁殖源となる可能性
➂ 下草の生え方によっては作業性が落ちる可能性

などが挙げられます。

自分の畑を持つことになったらどうしようか…。上記のメリットやデメリットを総合して考えると、雑草をそのまま生やしてしまうと狙ったような効果を出すことができなくなる恐れがあります。なので、
① 畑の地質検査をして、必要な栄養素や不要な栄養素を追加・吸収してくれるような植物を選ぶ
② 果樹の病気や害虫を防ぐような効果があるコンパニオンプランツを選ぶ
➂ 雑草が生えないように地際まで刈らないで10㎝程度伸ばす(ただし、幼木のころは草刈りはマメにやる。また、成木になっても果樹の周りは草刈りをして、雑草が生えないよう砂利などでカバーするのも一案)

と言った工夫が必要と思われます。ただ、草を10㎝程度伸ばすとなると、機械では刈れないことになるので、苦手なカマを使って人力で草刈りをしなければなりません。作業性を考えると踏み倒す方がいいのか…。なかなか難しい問題です。