Adagioな日々

ワインづくり奮闘記 そしてときどきピアノ

トレリスと紐の結び方

本日の気象データ

天気:晴れ 降水量:0.0 mm 最低気温:3.5℃ 最高気温:21.3℃ 平均気温:12.5℃ 日照時間:742分 (原村アメダス

 

今日は、マイカ線張りとシャルドネの芽かき、その他の品種のアクロトニー(acrotonie)が進んだ芽の葉を1枚落とすという作業をしました。

まずはマイカ線張り。農業ではいろいろな資材を使っているものです。マイカ線とは、ビニルハウスのビニルシートを押さえるために使うものです。今回は、これをブドウ柵(トレリス)に張られている1番上の番線のところに設置する作業をしました。

そもそも、トレリスはどんな構造になっているか

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(日本ブドウ・ワイン学会監修『醸造用ブドウ栽培の手引き』p.95より)

垣根の両端にはアンカーで固定した隅柱があります。隅柱はその間にある中柱(支柱)よりも太く、材質は木材の場合もあるし、金属の場合もあります。また、コンクリートの柱を使っているところもあるようです。中柱の素材も一般的には亜鉛・アルミニウム・マグネシウムの混合鋼材を使うことが多いようですが、なるべくコストを削減するために、別の素材を使っているところも結構あるようです。また番線の太さをぎりぎりのところまで細くしたり…などなど。色々なブドウ栽培家のお話を聞くと、様々なコスト削減策を可能な範囲で講じているようです。

今回は、マイカ線を一番上のワイヤー(番線)と同じところに設置する作業をしました。最初は紐の結び方で結構苦戦しました。中柱に結び付けるときには、園芸家がよく使う結び方のうち「二重巻き結び」(たぶんこれだと思う)で固定します。キャンプでも使う結び方のようなので、最近はこの結び方を知っている人も多いのかもしれません。私は畑で作業を始めるまでこの結び方を知りませんでした。当初は、どっちの紐を上にするのか、どっち側に回すのかと混乱しましたが、数をこなしているうちに自然と手が動くようになりました。一番難しかったのは隅柱の番線に固定するときで、結び方自体は全く特殊なものではないのですが、たるむことなく番線に固定することがなかなかできない。しかも回数を重ねていくうちに掌の筋肉が疲れてきて、ますますたるむように…。私はほとんど戦力にならないぐらいしか貢献していませんが、なんとか作業が完了。

シャルドネは、今日作業した畑の中で一番成長が進んでいる品種で、今年はかなり早い段階から芽が出ていて、展葉もしている品種です。前回の絶対使わない下の方の芽をかくのと違って、もっと明確にどの芽を残すのかのイメージをもって作業しなければなりません。今回は、まだ霜のリスクがあることから、明らかにこれは落とした方がよいと思われるものだけを落とすにとどめ、とても成長の進んでいる数本を使って練習をさせていただいたという感じでした。前回の作業の模様はこちらから。

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最後に、アクロトニーが進んだ芽の葉を1枚落とすという作業。以前の記事の中で枝の先のほうほど芽が大きく、ほかの芽と生育進度が違うので、生育進度をコントロールしてやる必要があると書きました。その枝の中で幹から遠い(先のほう)の芽がどんどん発芽・生長する性質をアクロトニーと呼びます。

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これもザクザク葉を落とすというのではなく、1本1本の樹や一つ一つの芽を観察していきます。また、1枚落とす葉は、将来ブドウがつくところよりも下にあるもののうち一番下についているものです。この作業をするのに慣れている人は、時間をかけることなく判断できるのですが、私はじーっと見ないとわからないので、またまた数をこなすことはできませんでした。でもじーっと見ているとバルベーラは少し霜の影響を受けて葉の周りが茶色っぽくなっているとか、この葉っぱは虫が食べた跡があるとかそんなことにも気づけました。毎日見ていれば短時間で判断できるようになるのかな。そう信じたいところです。