Adagioな日々

ワインづくり奮闘記 そしてときどきピアノ

霜の発生メカニズム

本日の気象データ

天気:晴れ 降水量:0.0 mm 最低気温:1.1℃ 最高気温:20.1℃ 平均気温:10.0℃ 日照時間:777分 (原村アメダス)その他:降霜あり

 

今日は作業がお休みなので、昨日、作業中に話題になった「霜」について書きたいと思います。

昨日の作業の時、「今日、帰るとき、かえるが鳴いてるかよく聞いてみて」と言われました。春になるとかえるが土から出てきて、夕方になるとケロケロ鳴いています。先週は暖かかったので、我が家の家庭菜園でも、ヴィンヤードでも元気に飛び回るかえるを見かけました。しかし、昨日は日中寒くて、作業する私に踏まれないように逃げ惑うかえるの動きもボテボテして鈍い。夕方、庭に出てかえるの声に耳をすましても全く鳴き声がしません。どうも土にもぐったり、草かげに隠れたりして暖をとり、寝ているようです(時に凍死してしまうかえるもいるとのこと)。この地域では、夕方かえるが鳴かないと翌朝には霜が降りると言われているそうです。農業者の生活の知恵です。

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霜はどういう条件だと発生するのでしょう。福岡管区気象台が発行している『はれるんマガジン』2020年11月26日号によれば、一般に晴れの天気で、風が弱く、気温が3~4度まで下がると霜が降りやすくなるとのこと。この条件が揃ったときに「放射冷却」が起こるということです。

上記の『はれるんマガジン』では、

夜になって太陽からの熱をもらえなくなった地面や車、草などの物体が放射冷却によって冷えていくため、物体の近くにある空気も冷やされていきます。近くの空気が十分に冷えて0℃以下になると、空気中の水蒸気が細かい氷の結晶となって物体の表面にくっつきます。これが霜です。

とあります。気温は地面から1.5mのところで計測するため3~4℃ですが、冷気は下にたまりやすいため地表の温度は0℃以下になるのです。また上空に雲があると熱がこもりやすくなって地面が冷えにくくなります。風が吹くと地面の近くの空気と周囲の空気が混ざって冷え方が弱まります。というわけで、晴れて雲がなく風が弱いと霜が降りやすくなるわけです。

以前、東御市の農家さんと話をしたとき、「4月に結構暖かくなると嬉しくなって野菜の苗とか植えたくなっちゃうけど、この辺りでは連休明けぐらいまで遅霜があるから枯れちゃったりするのよねぇ」と言っていたのを思い出しました。我が家でも4月にシソやスイートバジルを植えてみましたが、霜にやられて瀕死状態です(苦笑)。それを見たご近所さんにも「移住者あるあるだよね~」と言われました。来年は、もっと遅くに植えよう…。これも失敗からの学びです。

遅霜は、世界中のヴィンヤードで問題になっています。特に最近は冬が暖かい傾向にあり、芽吹きが早いとのこと。なので寒の戻りがあると霜にやられて花芽が凍ってしまい、順調に生育しないといった影響があるようです。気象についての知識を身に着け、対処する方法を検討し、トライ&エラーで自分の畑にあったやり方を構築していかなければならないです。日々、勉強しないといけないことリストが長くなっていきます。