Adagioな日々

ワインづくり奮闘記 そしてときどきピアノ

防除について ④ヴィンヤードの虫を知る

本日の気象データ
天気:雨時々曇り 降水量:20.0 mm 最低気温:13.4℃ 最高気温:19.3℃ 
平均気温: 16.1℃ 日照時間:0分 (原村アメダス

今日は雨なので作業はお休み。

日々作業をしているヴィンヤードにはいろいろな虫がいます。作業をしているとバッタやテントウムシ、クモ、ミツバチには特に頻繁に出会います。虫を食べるカエルやスズメもたくさん来ます。ヒバリが畑に巣を作ることもあるのだとか。虫には益虫もいるけれど、害虫もいます。これまでにもクワゴマダラヒトリの毛虫やハムシを発見し、手でつぶしたことを記事にしたこともありました。

pooh-chan-51.hatenablog.com

醸造用ブドウに害を与える虫はたくさん報告されていますが、病気と同様に気候や環境によって発生する虫は異なるため、地域差があります。今回は原村で被害が確認されているツマグロアオカスミカメとブドウミタマバエについて書きたいと思います。

ツマグロアオカスミカメはカメムシの仲間です。非常に早い時期(だいたい芽が出始めたころ)に卵を産み付けられて、幼虫が出始めたばかりの葉や花穂を吸汁するので、葉に小さな穴がたくさん開きます。そして、その葉が成長してくると吸汁された穴の部分が広がって葉がボロボロになります。花穂を吸汁されると花蕾がなくなってしまうこともあるのだとか。これは収量に影響が出るので対策を取らねば…なんですが、予防的に草刈りをするか被害に遭う前に農薬を散布するしか今のところ対策はなさそうです。

ツマグロアオカスミカメが吸汁したとみられる小さな穴

 

ブドウミタマバエはタマバエの仲間です。ブドウミタマバエを検索すると必ず(仮称)とついていますが、比較的最近発生が確認された害虫のため、まだ名称が定まっていないようです。こちらはツマグロアオカスミカメよりも後の時期(開花のころ)に果粒(子房)の中に卵を産み付けられ、正常な果粒が大きくなる前にブドウミタマバエが寄生している果粒だけが大きくなり奇形化します。なので、この時期には正常な実と異常な実の区別がつきやすいのです。また、まだあまり生態が解明されていないようで、防除の方法としては異常な果粒を発見したら果房を除去して水漬けにして処分するしかなさそうです。

今回、ツマグロアオカスミカメについて調べていたら、病害虫・雑草の情報基地というサイトにたどり着きました。『防除ハンドブック ブドウの病害虫』というハンドブックを発行していて、そのオンライン版を閲覧できます。とても便利でありがたいサイトです。

www.boujo.net

ブドウミタマバエの方は、日本植物防疫協会のサイトを参考にしました。会員になるともっと詳しい情報が得られるようですが、とりあえず今回は公表されている栃木県農業環境指導センターの『ブドウミタマバエ(仮称)のブドウでの発生について』などを参考にしました。

http://www.jppn.ne.jp/tochigi/file/yosatu/H30/tokusyuhou/H30tokusyuhou1.pdf