Adagioな日々

ワインづくり奮闘記 そしてときどきピアノ

防除について ➂ボルドー液について

本日の気象データ
天気:晴れのち曇り 降水量:0.0 mm 最低気温:12.8℃ 最高気温:23.8℃ 
平均気温: 16.9℃ 日照時間:498分 (原村アメダス

今日は日曜日だったので、私の研修(作業)はありませんでした。が、台風も近づいているし、前線も発生し、そろそろ梅雨入りるのではというタイミングで、みね乃蔵の畑でも防除作業をすることに(ちなみに今回が今季最初ではありません)。

今回、私は作業をせず、見学をさせてもらいました。作業の様子はこんな感じ。

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農薬散布は、通常、早朝にやることが多いです。それにはふたつ理由があるとのこと。ひとつは朝は気温が低いということです。気温が高いときに農薬を散布すると、薬害(葉っぱが枯れたり黄色くなったりして光合成機能が低下し、ひいては果実が大きくならなくなってしまうなど)が出てしまうそうです。また、朝は風があまりないので、農薬が飛ばされて適量が散布できないということにもなりにくいです。今朝は4時半ごろ畑に行きましたが、ちょっと風があったので、少し離れたところからの見学でした。

ところで、農薬、農薬と言っていますが、いろんな農薬があります。今回はブドウの有機栽培で使われるボルドー液について書きたいと思います。

ボルドー液。よく聞くのですが、具体的にどんなものだかは知りませんでした。東京都のHPによれば、硫酸銅生石灰を混合して作る殺菌剤と書かれています。そして配合比率などの説明も書かれているので自分で作ることも可能ですが、既に配合したものが売られているので既製品を買うこともできます。東京都HPには「施用すると作物体表面に薄い皮膜ができ、外部からの病原菌の侵入を防ぐ。また、銅イオンが発生して殺菌作用を示す」と書かれています。殺菌剤と言われていますが、ついてしまった菌を殺すというよりは予防的に使う方が主のようです。なので雨が降る前に散布するんですね。ブドウの場合は、べと病と黒とう病に効くようです。

市販のボルドー液には、農薬会社によっていくつかの種類があり、ブドウ農家がよく使っているものにはICボルドー66Dと園芸ボルドーというものがあります。ICボルドーは石井石灰工業という会社が製造・販売しているようですが、その製品データを見るとべと病、黒とう病以外にも晩腐病やさび病にも効くとのこと。一方、園芸ボルドーはサンケイ化学という会社が製造・販売しており、こちらは無機銅と硫黄が混合されており、べと病、黒とう病、晩腐病、さび病に加え、うどんこ病やつる割細菌病、褐斑病にも有効と書かれています。概ねこの2種類の農薬でブドウによく発生する病気はカバーされています。強い農薬ではないので、効き目は穏やかだそうです。農薬を使うのであれば、どういった農薬を使うのか、これもこれからじっくり考えていかなければならないことのひとつです。

 

参照HP

付表5 ボルドー液呼称表 (tokyo.lg.jp)

殺菌効果 病害抵抗性 石灰|ICボルドー 農薬・肥料 井上石灰工業 (inoue-calcium.co.jp)

https://www.sankei-chem.com/products/productfile/?id=29 (サンケイ化学株式会社)