本日の気象データ
天気:晴れ 降水量:0.0 mm 最低気温:6.3℃ 最高気温:24.1℃ 平均気温:15.3℃
日照時間:597分 (原村アメダス)
研修4日目。今日の作業は挿し木用圃場の整備。
通常、初めてヴィンヤードを整備するときには苗木は苗木屋さんから購入します。台木を何にするかブドウ品種を何にするかを決定し、苗木屋さんに苗木を作ってもらいます。納品されるのは、通常、発注してから1年後だそうです。
そこで農家では、台木を栽培し、剪定した枝を使って自分で接ぎ木をし(台木の枝に台品種の枝をくっつける)、挿し木をして苗を作るという作業をすることが法律上認められています(苗木屋さんによっては台木だけでも販売してくれます)。なので、通常の栽培用の畑に加え、台木用の畑や挿し木用の畑があるわけです。先日移植作業を行ったのは、事情があって栽培用の畑で台木だけになってしまった木を台木用の圃場に移植するという作業でした。
この接ぎ木の作業はもっと早い時期にする作業なので、詳しくはまた来春に記載する予定です。
前置きが長くなりましたが、今日の作業はその苗木を育てるための圃場(挿し木する畑)の整備です。
作業としては、野菜の畑を作るのと似ているのかもしれません。畝を作って、マルチ(黒いビニルシート)を敷いて、マルチに穴をあけて、そこに枝を指していきます。この畝を作るという作業、野菜畑であれば大量に作らなければいけないので農業機械で作るのが一般的だと思います。しかし、ブドウの場合は、多くても数本の畝しか作らないため、鍬で畝を作っていきます。今回は263本の挿し木を予定していたので1本の畝を作りました。
まず、最初に2本、紐を張って、その紐に沿って鍬で2本溝を掘ります。溝の間隔はマルチの広さよりも少し狭め。鍬は少し斜めに土に入れます。マルチを敷く側に刃が当たる感じで入れ、鍬の縁で土を掻き出してマルチを敷くのと反対側に土を置いていきます。見ていると、一定の角度で刃が土に当たり、一定の深さで穴を掘り、実にリズム感よくとんとん穴が掘られてとても簡単そうに見えます。しかし自分でやってみると、そもそも狙った位置に鍬が落ちない。しかも角度がバラバラ、穴の深さもバラバラ…当然リズム感もなく、全く使い物になりませんでした。ブドウ栽培ではほとんどこの作業はないそうですが、それならばなおのこと、家庭菜園で練習しなければと思ったのでした。
私は穴掘りでは使い物にならないので、周囲の石を取り除く作業をすることに。この地域は非常に石が多く、事前に石を取っておかないと、追々草刈りをする際に石が草刈り機に当たって危ないのです。
マルチを敷いたら、先ほど畝を作るときに外側に掻き出しておいた土をマルチの端に乗せて止めます。マルチの真ん中には10㎝間隔で点線が書かれているので、点線2つ分のところに穴を開けます。点線を挟んで左右に開けますが、互い違いになるように開けます(写真)。
この穴に枝を挿していきます。枝を指すときは中心に向かってハの時になるよう気持ち内側に指していきます。内側に指す理由は、成長したときにマルチの外に向かって葉や蔓が伸びてきてしまい、作業の邪魔になるためとのことでした。石拾いと言い、枝の指し方と言い、一つ一つの作業が先の作業の効率化のためにあるのだなぁと。
最後に栽培用のブドウ畑のように柱を立てて、番線を張っていくわけですが、挿し木用の畑の柱は1年間だけもてばよいのでつくりは簡易です。今日の作業はここまでです。