Adagioな日々

ワインづくり奮闘記 そしてときどきピアノ

バゲットを決める

本日の気象データ
天気:晴れ時々曇り 降水量:0.0 mm 最低気温:4.5℃ 最高気温:17.7℃ 
平均気温: 10.0℃ 日照時間:766分 (原村アメダス

今日の作業は芽かき。雨が降ったり暖かくなったりで、芽がぐんぐん伸びています。これまでも芽かきをしていましたが、いよいよ来年のバゲット候補をほぼ決定し、残す芽も決定し、花穂よりも下の葉を落とし、余計な花穂を落とし…と1本のブドウ樹に対して、判断する時間と作業する時間、いずれも長くかかるようになってきました。

1本のブドウ樹に対する作業項目が増えているので作業時間が少し長くなるのは致し方がないとして、判断する時間については二重の理由で長くかかってしまっています。

まず、これがほぼ最終決定だと思うと、どの芽を残すのか、慎重にならざるを得ないため時間がかかってしまいます。もちろん、今後、多少の修正の余地はあるのですが、一度かいた芽は戻ってこないので、決定的なミスは避けなければいけません。

もう一つの大きな理由としては、やっぱり不慣れな点です。これをバゲット候補にする、バゲットの次の芽、その次…と片側のバゲットに4つから5つの芽を残す判断をするのですが、当初は、不要な芽をかく前に、自分の判断内容をヴィンヤードのあるじに伝え、オッケーをもらってから芽をかくようにしていました。だいたい判断できるようになってくると、数本作業をした後で、事後的に見ていただいてアドバイスをもらうように。私は心配性なので、たくさん残す傾向があって、事後的なアドバイスではさらにどこの芽をかくべきかを教えていただいていました。

しかし、さすがに手取り足取り指導してもらいながら芽をかいていては作業が間に合わないので、今は事後チェックを受けるつつも、作業中は一人で判断して作業を進めていかなければいけません。特に来年のバゲット候補を決めるのは一番難しいです。私の場合は、ここに残してもバゲットにするのが難しくて残す意味があまりないと思われる芽はどれかを最初に判断し、まずその芽をかきます。次に特に大きく育った芽の花穂よりも下の葉を取り除きます(かいてしまうかもしれない芽も含め)。そうするとスペースができて、芽と芽の間の間隔がわかりやすくなります。この時点ではバゲット候補が1つの芽ではなく、バゲット候補群であることもしばしばあります。次に一番先端の残す芽を決めます。これは決めやすいですが、隣のブドウ樹の先端の芽との間隔を考慮する必要があるケースが時々あります。そして今年のバゲットの長さを見て、残す芽を4つにするか5つにするかを考えます。この時、下向きの芽は自動的にかくとか、一定の間隔で残すとかできればいいのですが、そういうわけにもいかないのが難しいところです。芽の生長速度はまちまちなので、小さい芽の場合でもこれは伸びて欲しいというのは残しつつ、うまくいかなかった時の補欠候補も残したり、斜めに生えている芽とまっすぐに生えている芽とどちらの方が花穂の状態がよいか、どちらを残した方がいいか、あるいは両方残しても伸びてきたときにツルとツルの間隔が取れそうかなどを判断しつつ、少しずつ芽をかいていきます。そして、来年のバゲット候補群として残しておいたところがある場合にはもう一度そこに戻り、バゲット候補を決めます。それでもやっぱり1つに決めきれないケースもあるので、その時は適度に間引きつつ複数残します。そして最後に余計な花穂を落とすなどの細かい作業をして、次の樹にうつります。

こういった判断が瞬時にできるようになればいいのですが、それには多くの経験が必要そうです。まだまだ修行の日々は続きます。